海外赴任が決まったとき、仕事や住居、ビザの準備と同じくらい気になったのが、日本で運営している不動産賃貸業をどうするかということでした。
私は現在、戸建て1棟とアパート1棟、合計2棟8室を運営しています。
これまでは日本に住みながら、管理会社とのやり取りや家賃入金、修繕対応などを確認していましたが、インド赴任によって物理的に日本を離れることになりました。
結論から言うと、管理会社との役割分担を明確にしておけば、海外赴任中でも不動産賃貸業は十分続けられると感じています。
この記事では、インドから2棟8室を管理している私が、海外赴任中にどこまで管理会社へ任せ、どこを自分で確認しているのか、実際の運営方法を紹介します。
また、海外から不動産を保有するメリット・デメリットや、今後3棟目をどう考えているかについてもまとめます。
海外赴任が決まったとき、不動産賃貸業をどうするか考えた
海外赴任が決まったとき、日本で保有している不動産をどうするかは当然考えました。
ただ、私の場合は売却することはほとんど考えませんでした。
現在保有している戸建てとアパートは、購入してからまだ2〜3年ほどしか経っていません。また、もともと短期的な売却益を狙って購入した物件ではなく、長期保有しながら家賃収入というインカムゲインを得ることを目的に購入しています。
そのため、海外赴任になったからといって売却するのではなく、日本を離れてもどうすれば運営を続けられるかを考えることにしました。
ただし、2つの物件では管理方法が大きく違います。
アパートはもともと管理会社へ管理を委託しているため、海外赴任が決まった際も管理会社へ連絡し、必要な情報を伝える程度で済みました。
一方、戸建ては購入当初から自主管理をしています。
そこで出国前に入居者へ電話をして、海外赴任になることや赴任期間を伝えました。また、私が海外にいてもこれまでと変わらず対応できること、緊急時には日本にいる姉へ連絡してもらえるよう、姉の連絡先も共有しました。
戸建てを自主管理のままにした理由の一つは、これまで入居者と定期的に連絡を取り、トラブルにも迅速に対応してきたことで、ある程度の信頼関係を築けていたからです。
また、この戸建ては購入価格が約270万円で、表面利回り約19%あります。
築40年以上の物件でもあるため、管理会社へ委託して毎月管理費を支払うと利回りが下がり、投資資金の回収期間が長くなる点も気になりました。
もちろん、海外からの自主管理には緊急修繕などの不安もあります。
そのため現在は、通常の連絡は私がメールで対応し、生活に直結するような緊急トラブルだけ日本にいる姉に協力してもらうという形にしています。
海外赴任だからすべて管理会社へ任せるのではなく、物件ごとの状況や収益性に合わせて管理方法を分けることにしました。
アパートは管理会社、戸建ては自主管理で運営している
海外赴任中の不動産運営では、2つの物件を同じ方法で管理しているわけではありません。
現在は、
アパート → 管理会社へ委託
戸建て → 自主管理
という形で運営しています。
アパートは管理会社に任せている
アパートについては、日本にいた頃から管理会社へ管理を委託しています。
そのため、海外赴任後も基本的な運営方法はほとんど変わっていません。
入居者から修繕依頼などがあった場合は、管理会社からメールで報告をもらい、内容を確認したうえで対応してもらっています。
修繕費については、家賃と相殺する形で精算しています。
また、退去が発生した場合も、退去手続きから次の入居者募集まで管理会社が対応してくれるため、私が海外にいることによる影響は比較的小さいと感じています。
戸建ては海外から自主管理を続けている
一方、戸建てについては現在も自主管理を続けています。
通常の連絡は、基本的に入居者とメールでやり取りしています。
ただし、海外にいると時差もあり、すぐに対応できない場合があります。
そのため、生活に直結するような緊急トラブルについては、日本にいる姉へ電話してもらえるようにしています。
以前、入居者から「ストーブから灯油が漏れて使用できなくなった」と連絡があったことがありました。
こうした暖房設備のトラブルは、メールの返信を待っている間にも入居者の生活へ影響してしまいます。
そのため出国前に入居者へ、緊急の場合は姉へ直接電話してもらうよう伝えています。
もちろん姉には事前に事情を説明し、協力してもらえる範囲でお願いしています。
家賃は銀行アプリで毎月確認している
家賃については、現在も日本の銀行口座へ振り込まれています。
そのため、毎月銀行のアプリを使って入金状況を確認しています。
海外にいてもオンラインで入金確認ができるため、この部分については日本にいた頃と大きく変わりません。
戸建てで修繕が発生した場合
戸建てについては、今後修繕が発生した場合、姉に業者の手配などをお願いし、費用は私が支払う予定です。
ただ、海外赴任後はまだ実際に修繕が発生していません。
そのため、実際に大きな修繕が起きたときにどこまでスムーズに対応できるかは、まだ分からない部分もあります。
このあたりは今後実際に経験したことがあれば、記事にも追記していきたいと思っています。
戸建てで退去が発生したらどうするか
現在、戸建ての入居者に退去予定はありません。
ただ、もし海外赴任中に退去となった場合は、退去時の立ち会いだけ姉にお願いすることを考えています。
一方で、新しい入居者の募集については、海外からすべて対応するのは難しいと感じています。
そのため状況によっては、帰国するまで空室のままにする可能性もあります。
海外赴任中でも自主管理はできますが、退去や大きな修繕が発生した場合は、日本にいるときより対応できる範囲が限られるのも事実です。
海外赴任中の不動産運営で一番不安なのは緊急修繕
海外赴任中に不動産を運営していて、一番不安に感じるのは緊急修繕が発生したときの対応です。
家賃の入金確認や通常の連絡であれば、銀行アプリやメールを使えば海外からでも対応できます。
一方で、水漏れや設備の故障など、入居者の生活に直結するトラブルが発生した場合は、メールだけでは十分なスピードで対応できない可能性があります。
特に戸建ては自主管理のため、アパートのように管理会社へすべて任せることができません。
そのため私は、緊急時に限って日本にいる姉に協力してもらえる体制を作っています。
ただし、海外赴任後に大きな修繕はまだ発生していないため、実際にトラブルが起きたときにどこまでスムーズに対応できるかは、まだ分からない部分もあります。
もし今後修繕が発生した場合は、入居者の生活への影響を最優先にしながら、丁寧に対応していきたいと考えています。
確定申告や固定資産税の対応も必要
物件管理以外で少し手間に感じたのが、確定申告や固定資産税など、税金に関する手続きです。
海外に住んでいると、日本にいたときと同じようにすべて自分で対応するのが難しくなる場合があります。
私の場合は、必要な手続きについて親に納税管理人をお願いするための書類を提出しました。
普段の賃貸管理そのものにはそれほど時間を取られていませんが、海外赴任となると、こうした税金や行政手続きについては事前に確認しておく必要があると感じました。
実際に海外へ来てみると、想像より運営負担は少なかった
一方で、実際にインドへ赴任してみて感じているのは、想像していたほど不動産運営に時間を取られていないということです。
これは海外赴任だからというより、もともと現在保有している物件で大きなトラブルが少ないことが大きいと思います。
アパートは管理会社に任せていますし、戸建てについても入居者とこれまで関係を築いてきたため、日常的に頻繁な連絡が必要な状態ではありません。
不動産投資は「買った後にどれだけ手間がかかるか」も重要ですが、今のところは本業をしながら海外で生活していても、無理なく続けられています。
海外赴任中に不動産を持ち続けるメリット・デメリット
実際にインドへ赴任してからも不動産を保有していますが、今のところ売却せずに持ち続けて良かったと感じています。
ただし、海外赴任中だからこそのメリットがある一方で、日本にいないことで不便に感じる部分もあります。
メリット|海外にいながら資産形成を続けられる
私が一番大きなメリットだと感じているのは、海外に住みながらでも日本の不動産を通じて資産形成を続けられることです。
私の場合、海外赴任をきっかけに、日本の証券口座でこれまでと同じように新規買付を続けることが難しくなりました。
そのため、赴任前と比べると投資先の選択肢が限られています。
一方、不動産については海外赴任前から保有している物件をそのまま運営できており、毎月家賃収入が入り、ローン返済も進んでいきます。
海外赴任中でも資産形成を止めずに済むという点は、不動産を持っていて良かったと感じる大きな理由の一つです。
なお、家賃収入が入ること自体への安心感については、日本に住んでいた頃から変わらず家賃収入を得ていたため、海外赴任したから特別に安心感が増したという感覚はありません。
海外赴任中の資産運用に関してはこちら
デメリット|日本にいないと細かな情報を得にくい
一方で、日本にいた頃より不便だと感じるのは、管理会社と細かなコミュニケーションを取りにくくなったことです。
日本にいれば管理会社へ気軽に電話をして、
- 周辺の家賃相場が上がっているのか
- 次回募集時に家賃を上げられそうか
- 現在の入居者との更新時に条件を変更できそうか
といったことを細かく相談できます。
海外からでもメールや電話はできますが、時差や仕事の都合もあり、日本にいた頃のように気軽に話すのは難しくなりました。
日々の管理自体は問題なくても、物件周辺の細かな変化や賃貸市場の情報を得るという点では、日本にいる方が有利だと感じています。
売却せずに保有を続けて良かった
今のところ、海外赴任を理由に物件を売却しなくて良かったと思っています。
そもそも私の場合、内示を受けてから実際にインドへ赴任するまでの期間は、仕事の引き継ぎや引っ越し、各種手続きなどでかなり忙しく、不動産の売却まで進める余裕はほとんどありませんでした。
不動産は、短期間で焦って売ろうとすると、自分が納得できる条件で売却できない可能性もあります。
私自身はもともと長期保有による家賃収入を目的として物件を購入しているため、海外赴任になったという理由だけで売り急ぐ必要はないと判断しました。
実際に赴任してみると、事前に管理方法を整えておけば、今のところ大きな問題なく保有を続けられています。
ただし、これは日本にいる家族の協力を得られていることが非常に大きいと思っています。
特に自主管理している戸建てでは、緊急時の連絡や今後修繕が発生した際の対応など、姉に協力してもらう可能性があります。
そのため、誰でも同じように海外から自主管理できるとは考えていません。
管理会社へ任せられる物件なのか、日本で協力してくれる人がいるのか。
海外赴任中に不動産を持ち続けるのであれば、この2点はかなり重要だと感じています。
海外赴任中は3棟目を買わず、帰国後に備えて現金を増やす
現在、3棟目の購入については海外赴任中には行わず、帰国後に検討する予定です。
今は赴任中にキャッシュ比率を高め、帰国後に頭金などをしっかり準備した状態で次の物件を探したいと考えています。
海外からの不動産購入は限りなく難しいと感じている
不動産の購入は、日本にいるときでもかなり時間がかかります。
実際に購入を検討する場合は、
- 現地で物件を確認する
- 仲介会社と何度もやり取りする
- 銀行へ融資相談をする
- 必要書類を準備する
- 契約や決済のスケジュールを調整する
など、多くの手続きが必要です。
海外からこれらを進めるのは、私にとっては限りなく不可能に近いと感じています。
もちろん、制度上できるケースはあると思いますが、今の自分にとって重要なのは「買えるかどうか」ではなく、そこまでして赴任中に買う必要があるかです。
現在は本業のウェイトが大きく、インドでの仕事にしっかり集中したいと考えています。
そのため、物件購入のために大きな時間や労力を使い、リスクを取る必要はないと判断しています。
条件の良い物件が出ても、赴任中は買わない
今のところ、赴任中は物件探し自体を行っていません。
仮に条件の良い物件が出てきたとしても、海外から購入する予定はありません。
物件を見ずに判断したり、誰かに現地確認を任せたりするよりも、帰国後に自分で確認できる環境になってから動きたいと考えています。
不動産は金額が大きいため、「良さそうだから急いで買う」よりも、自分が納得できる状態で購入することを優先したいです。
今できることは、帰国後に使える現金を増やすこと
そのため、海外赴任中の不動産投資については、新しい物件を買うことよりも、次の購入に備えて現金を増やすことを優先しています。
赴任中にキャッシュ比率を高めておけば、帰国後に良い物件と出会ったとき、頭金や諸費用として使える選択肢が広がります。
海外赴任中は無理に投資先を増やすのではなく、今保有している物件を安定して運営しながら、次の一手に備える期間にしたいと考えています。
まとめ|海外赴任中でも準備次第で不動産運営は続けられる
海外赴任が決まると、日本で保有している不動産をどうするか不安に感じる人もいると思います。
私の場合は、アパートは管理会社へ任せ、戸建ては自主管理を続けながら、緊急時だけ家族に協力してもらう形で運営しています。
実際にインドへ赴任してみると、家賃の入金確認や通常の連絡はオンラインで対応できるため、日常的な運営については想像していたほど大きな負担にはなっていません。
一方で、緊急修繕や退去対応、税金関係の手続きなど、海外にいることで対応が難しくなる場面もあります。
特に自主管理物件の場合は、日本国内で協力してくれる家族や管理会社など、いざというときに動いてもらえる体制を作っておくことが重要だと感じています。
また、私は海外赴任中に新たな不動産を購入する予定はありません。
現在は本業を優先しながら、保有物件を安定して運営し、帰国後の3棟目購入に向けてキャッシュ比率を高めています。
海外赴任だからといって、不動産を必ず売却する必要があるとは思いません。
自分の物件の管理方法や収益性、日本にいる協力者の有無を踏まえて、無理のない形で保有を続けられるかを判断することが大切だと思います。
「海外赴任中の資産運用についてはこちら」
→ 「海外赴任中の資産運用」
Aki

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